地主・借地人が変わったfor land

急に地主・賃借人の変更を告げられ、不利な状況へ。。どうするべき?

地主・借地人の変更の問題点

売買や相続などにより、地主や借地人は変わります。

①地主の変更と借地人の地位
地主が土地(底地)を第三者(新地主)に売却した場合、借地人は借地権の登記があれば第三者に対抗することができます。 しかし、地主はこれらの登記に応じないのが一般的なので、土地を売却された場合、借地人は第三者に対抗できないことになります。 そこで、地主が土地を売却しても、借地人が借地上に建てた建物の登記をしていれば、新地主に対しても旧地主に対して持っていた権利を主張することができるとされています(借地借家法10条)。
②借地人の変更と地主の権利
借地人が賃借権を他人に譲渡したり、借地を転貸しようとする場合には、地主の承諾を得なければなりません。 もし、承諾なく譲渡・転貸したときは、地主は契約を解除することができるとされています(民法612条)。 しかし、これでは借地人にとって不都合なので、地主が譲渡・転貸の承諾を拒否した場合、裁判所に地主の承諾に代わる許可の裁判を申し立てることができることになっています。

(1)地主が死亡した場合

地主が死亡し、地主の相続人が相続により新しい地主になった場合、借地人との契約はどのように扱われるのかが問題となります。

相続とは、死者の生前に持っていた財産上の権利義務を他の者が包括的に承継することをいいます。 そのため、地主が死亡した場合、地主の相続人は、地主が生前に持っていた地主としての権利義務を包括承継し、新地主となります。 したがって、地主が交代したからといって借地権は影響を受けず、また、契約期間なども、前の地主と結んだ期間がそのまま適用されることになります。

地主が死亡し、地主の相続人が土地を相続した場合、相続人は借地人の承諾を得ずとも、自由にその相続した土地を第三者に売却することができます。 この場合、借地人は、借地人が借地上の建物について登記をしていれば、新たな地主となった第三者に対して借地権を主張することができます。

(2)借地人が死亡した場合

借地人が死亡した場合、借地人が生前有していた借地権はどうなるのかが問題となります。

借地人が死亡した場合にも、その借地人の権利義務は包括的に承継されるので、借地人の家族は借地権を相続することができ、地主との契約はそのまま続行されます。 借地権も相続財産の一つとして、共同相続人の共有財産になるので、遺産分割協議によって誰が相続するかが決定されます。 なお、内縁の妻には、原則として相続権が認められないので、借地人に内縁の妻がいたとしても、借地権を相続することはできません。

借地人が死亡した場合に相続人がいなければ、地主と借地人の借地契約は終了します。

(3)未登記建物のある借地を売られた場合

借地人が借地上の建物の登記を怠っている間に、地主が借地を売った場合、借地人は借地を明渡さなければならないのかが問題となります。

借地人は、借地人が借地上に建てた建物の登記を行っていれば、新地主などの第三者に対抗することができます。 しかし、この登記を怠っているところ、地主がその土地を売却してしまった場合、借地人には登記をしていないという過失があります。 そのため、借地人は新地主に対抗することができず、明渡しを要求された場合には、立ち退かなければなりません。 ただし、土地の譲渡について背信的な事情がある場合には、借地人は登記がなくても借地権を主張できる可能性があります。

借地人による土地の無断譲渡

先代に土地を貸し、現在はその長男が住んでいる建物が、地主に無断でDVDのレンタルショップに売られてしましました。この場合、契約を解除することができますか。

他人のものを借りて利用している者は、貸主の承諾なく他人にその賃借権を譲渡することはできません。これに違反すると、貸主は賃貸借契約を解除することができると民法に規定されています。ただし裁判所は、無断譲渡があっても地主と借地人との信頼関係を破綻しない「特別の事情」があると認められる場合には、地主は借地契約を解除できない、という条件をつけています。信頼関係を破綻しない「特別の事情」とは、借地人の個人経営を法人組織に改めただけ、譲渡人と譲受人が同居の親族である、譲渡などが一時的ですぐに元に戻る、といったものが挙げられます。今回の場合、承諾なくレンタルショップに改造されていたという悪質な案件で、地主と借地人の間の信頼関係は破綻されたものと考えられるので、契約の解除ができるでしょう。

抵当権の実行で借地人・借家人に対抗力はあるのか

駅前の土地に、銀行から融資を受けて商業ビルを建てました。当初からテナントも埋まり、ビルの経営は順調でした。しかし他の事業で失敗して、ここ半年間、融資金の返済も滞っています。最近になって、銀行が商業ビルに付けた抵当権を実行し、競売を申し立てました。この場合、テナントはどうなるのでしょうか。

抵当権が実行されても、抵当権設定前に契約した借家人は、抵当権者や競売の買受人にそれぞれの借家権を主張できます。しかし、抵当権設定後の賃借権契約の場合、たとえ登記や建物についての占有があったとしても抵当権者等に対抗できず、行うことができるのは、買受けの時から6カ月経過するまで買受人に建物の引渡しを拒むことだけです。 テナント契約は、通常建物完成後にするものなので、入居中のテナントはすべて銀行の抵当権の登記後に契約したものと考えられます。従来であれば短期賃貸借制度により、建物の賃借期間が3年間を超えなければ、その期間は借家人の賃借権は保護されました。しかし現在、短期賃貸借制度は廃止されましたので、テナントは法律の保護を得ることができません。もし、新しい買受人から明渡しを求められると、テナントは明渡しを余儀なくされ、借家権を保護されないという結果になります。

不動産トラブルは弁護士にお任せください東京永田町法律事務所
弁護士へのご相談・お問い合わせはこちら03-5532-1112

9:00-19:00 除く土日祝祭日