家主と借家人との間に紛争が起きた場合に、解決を困難にする大きな理由は、感情的なもつれからであることも少なくありません。当事者が話し合い、それでも解決しない場合には、調停を申し立てて、調停委員の斡旋を受けるとよいでしょう。 一番多い敷金の問題については、不動産会社に再度清算の要求をしたにも関わらず、返還がない場合は、マンションがある地域を管轄している簡易裁判所に「宅地建物調停」を申し立てることになります。そうすることで、解決に繋がるはずです。
ちなみに、宅地建物調停は民事調停の1つです。
また、民事調停とは、民事問題に対して、調停委員会が当事者間の仲介をし、実情に即した問題解決を図ることを目的として、話し合いによって合意を目指す手続のことをいいます。 通常、調停委員会は裁判官から1名・民間人から2名(弁護士や大学教授、不動産鑑定士など)によって組織され、調停の申込みを相手方の住所地を管轄とする簡易裁判所へすると、第1回目の期日が1~2か月後に入ることになります。 裁判所の期日は、賃貸人と賃借人の間に調停委員が入り話を進めていくことになります。
また、話し合いは当事者の合意が得られるか、または、話し合いが成立しないことが明らかになるかまで期日を指定しながら続けられます。 そして、話し合いがまとまると、確定判決と同等の効力を持つとされる調停調書が作成されることになります。 調停は、かなり長い期間を要して話し合いが続けられることが考えられるため、賃料の滞納問題ではあまり利用することはないですが、賃貸人が賃借人との関係上、訴訟を避けたい場合や、複雑な要素が他にある場合などのときは、利用されることもあります。
あくまで、民事調停は、当事者間による合意が前提となっているため、賃借人が調停に出席する意思がないときや、最終的に合意する気がないときは、ズルズル話し合いを進めても結局は成立しないので、調停をする意味がないということになります。
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