不動産会社から借りていたが、大家さんの方へ家賃を払うよう言われた

不動産会社から借りていたが、大家さんの方へ家賃を払うよう言われた

不動産会社から借りていたはずであるにもかかわらず、大家さんに家賃を払うように言われた場合、大家さんが不動産会社に部屋を貸し、さらにその部屋を不動産会社が第三者に貸している状態である転貸(また貸し)をしていたと考えられます。
転貸の場合、まず確認しなければならないことは、転貸人が建物の所有者と賃貸契約を締結しているかどうか、また、転貸人が第三者に対して建物の所有者の許可を得た上で、建物を転借しているかになります。
また、転借人が転貸人に対して賃料を支払わず、直接賃貸人に支払を行うことも考えられます(民法613条1項)。
ただし、この場合転貸人を原告、転借人を被告として、賃貸人は主張を提起することができますが、転貸人の請求に対して、転借人は、賃貸人の了承を得ていないことを理由に賃料の支払いを拒絶する抗弁を主張したとしても、その抗弁は主張として認められないのです。

今回は大家さんが弁護士を連れていたことから、大家さんと不動産会社の間で交わされていた契約は解除されている可能性が高いです。よって、第三者が居住している部屋は不動産会社の所有ではなくなったため、大家さんの所有になっているはずです。
しかし、だからといって、大家さんの述べていることが本当のことであるかはわかりません。なので、現在の入居者である第三者は大家さんの述べていることが事実であるのかを確認する必要があります。
確認の方法としては、不動産会社に電話などで直接確認を取ることが1番ですが、契約解除の件を第三者が知らなかったことから考えて、連絡が取れない事も考えられます。その場合は、「大家さんと不動産会社との間の賃貸借契約書」、「配達証明付きの契約解除に関する通知書」の2点です。そしてこれらの書類を確認するまでは、大家さんの述べていることに従う必要はないです。
賃貸借契約が凍結した後、建物の所有権が売買または贈与によって、移転するケースもあります。新しく所有者が賃借人に対して、建物の明渡請求訴訟を提起された場合、賃借人(被告)は対抗要件の抗弁を主張することができます。そのときに新しい所有者が最高弁するためには、当該建物につき所有権移転登記手続を経由しているということを主張することになります。
ですが、今回大家さんは第三者に対して6万円の家賃を支払うように言っていることから、大家さんは毎月6万の家賃を支払うのであれば住み続けてもよいということになります。
ただし、部屋を借りることはあくまで賃貸借の契約であり、さらに、今現在はまだ不動産会社との契約であるため、手続きが必要になります。第三者が住み続けるためには、まず、第三者から不動産会社に対して配達証明付きの内容証明郵便にて、契約解除の通知を出す必要があります。
内容証明郵便は通常、家賃延滞をしている賃借人に対して、家賃未払いなどを理由に賃貸借契約を解除する旨を記載し、賃借人に対して送付するものである。
賃貸借契約において、まずやるべきことは、事実にあった催告を相手方に対して行うことになります。賃借人が賃料を延滞していることに対して、一般的には、滞納賃料の支払いがないこと等の理由から、賃貸借契約を解除する旨を配達証明付内容証明郵便に記載し、相手方に送付することになります。
ですが、受取人に対して、内容証明郵便を送付しても、留置期間満了(留置期間は原則7日間となっています。しかし、受取人の申出によっては、最大10日間まで延長することが可能となります。)に伴い、内容証明郵便が返送されてしまうことがあります。これは、配達の際に受取人が不在であれば「郵便物配達のお知らせ」が交付されることになっているが、差出人の欄に差出人の名前が記載されていることで、受取人が自身にとって不都合な内容が書かれていると思い、内容証明郵便を留置期間内に受領をしないように拒否しているためであると考えられます。
ただし、このような場合は、たとえ名あて人不在で内容証明郵便が返送されてきても、留置期間の満了をもって賃貸人の意志表示の到達はあったものとされることもあります。
また、相手方が内容証明郵便を受領しなかったとしても、内容を了知させるために、留置期間満了に伴い返送された内容証明郵便の差出人保管分をコピーし、いつ、何を送付し、留置期間満了により返送されたこと、さらに内容証明の写しを送付したことを記載した奥書を郵送することも1つの手段です。
今回のケースに対する内容証明郵便の文面としては、日付、不動産会社から第三者に対して義務の履行が不可能になったこと、不動産会社と第三者との間に結んだ契約は解除することなどの内容の内容証明郵便であれば問題はないです。

2019-10-24 15:38 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所