借地権者に工事を中止してほしいといわれたが→借権者を保護する制度がある。
今度、息子が結婚することになり、自分たちのライフスタイルに合わせた二世帯住宅を建てることになりました。そこで、ある程度の広さのある更地を探していましたが、ようやく気に入った土地が見つかったので、早速購入し、所有権移転登記も経て、土地の造成を始めたところ「その土地に借地権があるので、造成工事を中止してほしい」と主張するEが現れました。Eの賃貸借契約書をみると、確かに私の売買契約書より時期が先です。登記簿には特に借地権の記載はなかったのですが、Eの借地権のほうが優先するのでしょうか。

法律の世界では、「売買は賃貸借を破る」という言葉があります。これは、たとえ先に土地賃貸借を締結して借地権があったとしても、その後に土地所有権を取得した者には借地権を主張できないとする原則です。しかし、この原則を常に貫こうとすると、土地上に借地権を有し、そこで生活している人にとって酷な結果となります。そこで、借地権者を保護するための例外措置があります。つまり借地権を登記するか、または借地人が土地の上に登記した建物を所有している場合に限っては、例外的に借地権を新しい土地の所有権者に対して主張できることになっています。
あなたの場合は、土地登記簿を確認して借地権の登記がなかったわけです。またそもそも土地は更地だったので、登記された建物もありませんでした。ですからEがたとえ、あなたより先に土地賃貸借契約を締結して借地権を取得していたとしても、その権利をあなたに対して主張することができません。
よってあなたはそのまま土地の造成工事を継続することができます。

2017-12-14 11:12 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所