戦前からの借地での債務不履行

戦前、父の代から160万㎡の土地を店舗兼住居所有を目的に貸しています。ある時、公租公課の値上がりによって、賃料を月額12万円に増額請求したところ、借主は、公租公課の額を下回る月額6万円の額が相当賃料額だとして供託してきました。月額6万円の賃料は、昭和55年8月に増額されて以来据え置かれたものです。賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除することはできるのでしょうか。

戦前からの借地なので、借地法の問題となります。借地法では、貸主から地代増額請求があれば、請求時に当然に適正額に増額されることを前提にして、借地権者は、増額を正当とする判決の確定まで、支払額が結果的に適正額に不足していても「相当ト認ムル」賃料を払えば債務不履行にはならないと規定されています。ただし判決が確定したときは、不足額および年1割の利息を支払わなければなりません。「相当ト認ムル」額は、借主が主観的に相当と認める額でよいとされています。ただし、借主が公租公課の額を下回ることを借主が知っていた場合は、債務不履行になるという判決も出ています。よって、今回の場合も契約解除の可能性があると言えます。

2019-10-24 15:11 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所