手付金の支払いを後払いとする契約

 契約書の日付は手付金支払日にしたが……
建売住宅の完成売り出しチラシを周辺に配布したところ、土曜日の午後、ご夫婦が来場され、契約はもう少し考えてとの話でしたが、説明に納得いただき契約を締結しました。手付金の300万円は週明けの月曜日に振り込む約束をしました。契約書の契約締結日は手付金支払日にしました。ところが、月曜日に伺うと「やはりもう少し考えたいので、いったん白紙に戻し、本日の支払いは待ってほしい」との申出を受けましたが、契約は成立していることなどを話し、予定通り振り込んでもらいました。しかし翌日には契約解除の申出を受けて、手付金の返還を求められています。手付放棄による解除ですので返還は拒否しています。宅建業法上も何ら問題ない取引と考えていますが……

宅建業法47条3号は、「信用の供与をすることによる契約の締結を誘引する行為」を禁止しています。手付金の支払いを後払いとする契約は、信用の供与による契約の誘因行為に当たります。禁止行為を免れるために契約締結日を後日の手付金支払日にしたと思われますが、より悪質な禁止行為違反と言えます。さらに、手付金支払日当日、買主からの契約撤回の申出に対して、契約成立などを理由に支払いをさせたことは、契約の成立そのものを争われる余地もあると思われます。業法違反も念頭に置いて、合意解除に応じて手付金を返還すべきです。

2017-12-14 16:09 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所