賃貸借の注意点とは

建物を貸す際に注意すべき規程として、借地借家法28条があります。これは更新拒絶における正当事由の規定であり、貸主が契約の更新を拒絶する際には、更新ができない正当な理由を借主に対して示す必要があります。

借地借家法28条
 建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現状並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申し出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

借地借家法26条1項
 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。

また、貸借人同士で期間を定めていた場合には、期間満了と同時に賃借物(部屋や建物など)を返還してもらうことが出来ます。(民法616条、597条1項)

民法616条(使用貸借の規定の準用)
第五百九十四条第一項、第五百九十七条第一項及び第五百九十八条の規定は、賃貸借について準用する。

民法597条1項
 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない。

しかし、期間の定めは法律上20年が上限となっており(民法604条)、さらに契約における目的物が建物であり、1年未満の期間を設定した場合は期間の定めがないということになります(借地借家法29条1項)。

民法604条(賃貸借の存続期間)
賃貸借の存続期間は、二十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年とする。
2  賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から二十年を超えることができない。

借地借家法29条1項(建物賃貸借の期間)
 期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。

契約の目的物が建物であった場合、期間の定めが設けられていたとしても、必ずしも期間満了と同時に契約終了となり、建物から退去してもらえるとは限りません。契約満了の6か月~1年前までに賃借人から更新しない旨の通知が来なければ、従来通りの条件で契約が更新されます(借地借家法26条1項)。また、普通の借家契約では、期間満了後も借主が住み続けたい旨を主張すれば、自動的に更新が可能となってしまいます。

借地借家法26条1項
 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。

2019-10-25 10:50 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所