アパートの駐輪場に他の人が自転車を止めている。
アパートの駐輪場に他の人が自転車を止めている。
駐輪場が第三者によって無断で使用されている場合、まずは駐輪場の持ち主(たいていは大家さん)に相談し、住人以外の駐輪は遠慮してもらうことや、不法駐輪であるときは、罰金を支払ってもらうなどの内容を記載した貼り紙や看板を設置してもらうようにします。 それでも不法駐輪がされるようであれば、留置権の行使により、チェーンなどで自転車をつなぎ、持ち出せないようにすることも可能です。 留置権とは、他人の所有する敷地に無断で自転車を置いていた場合、大家さんは自転車の持ち主に対して駐輪場の使用料に相当する分の損害金を請求することができます(地方や地域によって損害金は異なりますが、大都市圏であれば、1日あたり200円程度であると考えられます)。そして、大家さんは、その使用料(損害金)を支払ってもらうまでは、不法駐輪している自転車を留め置くことができ、この権利を留置権といいます(民法295条)。 そして、その自転車に返還希望であるのならば、違約金を支払うというような警告文を書いた紙を貼り、自転車の持ち主に対して主張することになります。ただし、大家さんの中には、トラブルになることを避けたいと考える者もいるため、ここまでの強硬措置をとらない人もいると思われます。 大家さんが強硬措置を行わない場合は、住人も駐輪場の使用権を有しているので、その権利に基づき、自身で行動に移すことになります。 ただし、自身で行動する場合、違反自転車の撤去については自力で強行することは禁止されており、また、撤去できたとしても、通過車両などで自転車に傷がついてしまったときには、責任を問われることも考えられます。 つまり、違反者を見つけたときには、強硬手段にでるのではなく、地道に説得するか、注意や警告の貼り紙をする程度に収めるしかないということになります。もしも、このような努力をしても一向に改善されないようであれば、大家さんに留置権の行使をお願いするべきです。