中古住宅の瑕疵担保責任
中古住宅を買ったら外壁にひびが入っていた→隠れた欠陥ではないので瑕疵担保責任の追及は難しい。
現在住んでいる賃貸マンションの契約期間の満了により、一戸建てを購入することになりました。U不動産の仲介で中古住宅を見に行きました。築15年と古かったのですが、一通り検分してその他の条件が良かったので、「現状有姿」で契約しました。
しかし実際に住み始めると、外壁にひびが入っていることに気づきました。知人の建設業者に相談したところ「今は収まっているが、かつて地盤沈下があってそのためにひびが入った。このままだと雨漏りの可能性もある」というので、仕方なく修理を頼みました。売主とUに対して修理費を賠償請求できないでしょうか。
まず売主に対して損害賠償請求ができるか考えてみましょう。根拠として考えられるのは民法の瑕疵担保責任の追及です。これは売買の目的物に隠れた欠陥があった場合に、買主が売主に対して責任追及できるという制度です。「隠れた」というのは、取引上一般に要求される注意を尽くしても発見できない場合を意味します。ただあなたの場合、一通り現地検分しています。またひび割れがあるのは外壁であって、容易に発見できたはずでした。だとすれば、隠れた欠陥とはいえず、瑕疵担保責任の追及は困難でしょう。
次にUに対する請求について検討します。確かに、地盤沈下は問題ですが、今は収まっています。ただ地質学的な問題もありかなり専門的です。また将来の雨漏りの可能性も専門的な問題です。そのためUに調査や説明義務を認めることは難しいでしょう。中古住宅の売買は後からトラブルが生じやすいため、現地検分は慎重に行い、専門家の意見を参考にあらかじめ質問事項を用意しておくなどして、万全を期して臨む必要があります。