先代に土地を貸し、現在はその長男が住んでいる建物が、地主に無断でDVDのレンタルショップに売られてしましました。この場合、契約を解除することができますか。
他人のものを借りて利用している者は、貸主の承諾なく他人にその賃借権を譲渡することはできません。これに違反すると、貸主は賃貸借契約を解除することができると民法に規定されています。ただし裁判所は、無断譲渡があっても地主と借地人との信頼関係を破綻しない「特別の事情」があると認められる場合には、地主は借地契約を解除できない、という条件をつけています。信頼関係を破綻しない「特別の事情」とは、借地人の個人経営を法人組織に改めただけ、譲渡人と譲受人が同居の親族である、譲渡などが一時的ですぐに元に戻る、といったものが挙げられます。今回の場合、承諾なくレンタルショップに改造されていたという悪質な案件で、地主と借地人の間の信頼関係は破綻されたものと考えられるので、契約の解除ができるでしょう。