入居前からの部屋の破損が修理されていない。
入居前からの部屋の破損が修理されていない。
本来であれば、新しい借主が入居する前に、家主は部屋が通常に使用出来る状態に修繕しなければならず、その修繕に関する費用は家主自ら負担する義務があります。
さらに、借主が入居した時点で、部屋を使用することに支障の出るものに関しては、借主が入居した後であっても、家主には欠陥を修繕する義務が生じます。
なので、入居前からあった破損に関する修理費は、破損後に入居した借主の敷金があてられることはありません。
また、その破損が前の入居者の落ち度によるものであれば、前の入居者の負担となり、家主が前の入居者の敷金から差し引くことを忘れていたのであれば、修理費は大家さん自身の負担となります。
また、長年の使用により、畳が摩耗した際は、自然による落ち度の破損になるので、修理費や取り換え費の負担は大家さんが持つことになります。
ただし、入居前の破損であることを明らかにしていることが前提となります。今後、借主が退室する際に大家さんや不動産会社に元からの破損であると伝えたとしても、不動産会社の担当者が代わっていた場合、現在の借主の敷金から修理費を差し引かれる可能性があります。
よって、そのような事態を未然に防ぐためにも、入居してまだ間もない時期に、不動産会社の部屋の担当者か大家さんに破損個所を見せておき、修理をしてもらう約束をしておくべきです。
もしも、不動産会社または大家さんのどちらもが修理を実行してくれない場合は、修繕を実行しない旨を指摘した修理を要求する内容証明郵便を出し、記録として残しておくべきです。
要求を明確にするためにも、まずやるべきことは、事実にあった催告を相手方に対して行うことになります。賃借人が賃料を延滞していることに対して、一般的には、滞納賃料の支払いがないこと等の理由から、賃貸借契約を解除する旨を配達証明付内容証明郵便に記載し、相手方(賃借人)に送付することになります。もちろん、滞納に限らず、修繕を実行してもらえないことへの修理の要求も内容証明郵便によって行うことも可能です。
ただし受取人に対して、内容証明郵便を送付しても、留置期間満了(留置期間は原則7日間となっています。しかし、受取人の申出によっては、最大10日間まで延長することが可能となります。)に伴い、内容証明郵便が返送されてしまうことがあります。これは、配達の際に受取人が不在であれば「郵便物配達のお知らせ」が交付されることになっているが、差出人の欄に差出人の名前が記載されていることで、受取人が自身にとって不都合な内容が書かれていると思い、内容証明郵便を留置期間内に受領をしないように拒否しているためであると考えられます。
このような場合は、たとえ受取人不在で内容証明郵便が返送されてきても、留置期間の満了をもって差出人の意志表示の到達はあったものとされることもあります。
また、相手方が内容証明郵便を受領しなかったとしても、内容を了知させるために、留置期間満了に伴い返送された内容証明郵便の差出人保管分をコピーし、いつ、何を送付し、留置期間満了により返送されたこと、さらに内容証明の写しを送付したことを記載した奥書を郵送することも1つの手段です。