契約更新日の日割家賃
契約更新の日に鍵を渡したのに日割家賃を請求された。払わなければいけないのか。
家賃は、部屋の引渡しが完了するまで発生します。 部屋の引渡しが完了したと言えるには、第1に借主が持ち込んだ家財道具などをすべて搬出し、部屋を完全に空っぽの状態にします。ただし、入居時に元から置かれていたものに関しては、そのまま置いておきます。 第2に部屋が空っぽの状態であることを不動産会社もしくは大家さんの立ち会いで確認をしてもらいます。 第3に大家さんあるいは不動産会社に直接鍵の返却をします。 この3つの条件が完了した時点で引渡しが完了したと言えるようになります。 また、敷金については、鍵の返却と引き換えに返還されることもありますが、多くの場合は、引き渡し後一定の期間が経った頃に返還されると契約書に記載されています。 ちなみに敷金とは、不動産の賃貸借契約において、賃借人が家賃の滞納や備品の破損などの債務不履行が生じた際に担保となるもので、賃貸人に対して交付される金銭を指します。(同じような趣旨の金銭で、保証金と言われるものもありますが、保証金についての規定は民法の中では、定められていません。ちなみに、敷金については、民法619条2項などに規定が定められています。) 賃貸借契約が終了した後に、賃貸人は、賃貸借に対する債務を敷金から差し引き、敷金から債務を引いた残りの残額が賃借人に返還されることになっています。もしも、賃貸借契約中に敷金返還請求権を他の第三者に差し押さえられたとしても、賃貸借契約が終了するまでは、賃貸人が預かっておくことも可能ですし、契約が終了したとしても賃借人の債務分を回収後の残額が差押えの対象になるに過ぎず、敷金に関しては、賃貸人が優先して返済してもらうことができます。 さらに、敷金は賃貸借契約時に前もって預かることができる担保なので、連帯保証と比べると、確実性のある回収方法であるといえます。 つまり、部屋の引き渡しは、借主の一方的な判断で出来るわけではなく、貸主側との双方が確認をすることで完了になるので、お互いの協力が必要になります。 もしも、借主は引渡しを完了したつもりでも、不動産会社や大家さんが確認をしていない場合は、日割家賃が発生し、請求された際は支払わなければならないので注意が必要です。 双方間における契約書などの中で、特約として結んでいなければ、更新料は発生せず、借主に支払う義務はないです。よって、借主・貸主双方が一定の金額を定め、借主が支払うことで、お互いの信頼関係を維持することが出来ます。更新料については多くの契約書で取決めがあり、家賃1か月分前後の更新料を契約更新の際に支払うことになります。 また、更新日よりも前に解約したならば、更新料を支払う必要がないかというと、必ずしもそうとは言えず、契約書の中で、「契約満了1か月前までに借主・貸主双方のどちらからも契約解除の申し入れがなされなければ、契約を更新とする」などの自動更新に関する特約が記載されていれば、更新解除の申し入れが満了1か月未満であれば、更新料が発生し、支払うことになります。 さらに更新後の契約では、貸主側の好意によって、借主側による一方的な解約権が認められる条項が定められていることもあります。その場合、借主は契約期間の途中で解約することができます。 しかし、契約書にそのような条項の記載がない場合には、途中解約は出来ず、更新の際に定められた契約期間内は借り続けることになります。 ただし、更新料の支払いがなく、さらに更新契約書の交換がない状態で自動更新された場合は、期間の定めがないことになり、いつでも借主から解約を申し出ることが可能になります。