専用庭付きアパートなのに庭を通路にする人がいる。
専用庭付きアパートなのに庭を通路にする人がいる。
専用庭付きの部屋であるにも関わらず、私有地のはずの庭を他人が道路として通っていた場合、賃貸借契約を結ぶにあたり、賃貸借契約書は存在するが、契約書に記載されている契約内容と当事者間が認容している契約内容に食い違いが生じていることになります。 ここで問題となることは、奥に住んでいる住人に通行権があるかということです。専用庭はもちろん他人が所有しているものですが、奥に住んでいる住人が、専用庭を通らないと公道に出られないなど、生活に支障をきたす事情があった場合、他人の敷地であっても、奥に住んでいる住人には、通行することが出来る権利が認められるのです(民法210条)。 しかし、奥に住んでいる住人に通行権があるとなると、別の問題が出てきます。それは、奥に住んでいる住人が、必ず通るとわかっている場所を専用庭として貸していることです。このような場合は、契約内容との違いがあるので、大家さんと交渉し、その分の家賃を下げてもらうこともよいです。 どちらにしても、賃貸借契約書と実際の状況が異なっている場のであれば、契約書の内容がいつからそうなったのか、また、当事者がその事実を知ったのはいつなのか、さらにその事実を知った後にどのような対応をとったのかなどの詳細を調査し、賃貸借契約書の内容が実際に変更されたのかを検討する必要があります。 ただし、奥に住んでいる住人が、「近道だから」というだけで、他人の所有する専用庭を通っていた場合は、通る権利自体ないので、管理会社か大家さんに注意をしてもらうことが出来ます。 もし、それでも通るようであれば、フェンスなどを設け、通れない状態にします。その際の費用は、借主が専用庭を含んだ家賃を支払っている以上、大家さんは負担する義務があります。