手付放棄による契約の解除
コンセント追加で手付解除はできないと……
売り出し中の新築建売住宅の現地を家族で見に行きました。子供たちも気に入ったようです。営業の方から一生懸命説明され、契約を勧められました。よく検討してからと考えていましたが、営業の方の熱意に負けて手付金50万円を支払い、契約を締結しました。その際、コンセントを3個追加しました。その後、同居予定の両親にも話したところ、反対され、結局、手付金を放棄して契約を解除することにしました。ところが、追加コンセントの配線が終了し「履行に着手」しているので、手付放棄による解除はできず、違約金を請求することになるといわれています。納得できません……。
手付放棄による契約の解除は、一方的通知で簡単にできる契約解除の方法です。しかしこの手付解除は、売主が「履行の着手」をしたときにはできません。「履行の着手」とは簡単に言うと、「契約で約束したこと(義務)を行うこと」買主が代金の支払いをする、売主が物を引き渡す、所有権移転の登記手続きをするなどがそれにあたります。
コンセントの追加工事も売り主の義務の履行ですが、売買代金に比してわずかな金額のものは履行の着手とまでは言えないと解されています。また、宅建業者は「正当な理由」なく買主の手付放棄による解除を拒むことまたは妨害することを禁止されています。本件は、手付金を放棄すれば契約を解除できます。売主業者は手付解除に応じて無用なトラブルにならないようにしましょう。