指定日に3日遅れて家賃を振り込んだら退室を要求されている。
指定日に3日遅れて家賃を振り込んだら退室を要求されている。
借主が毎月家賃を支払うことは、大家さんが借主に対して部屋を提供、管理、修繕することと同等の義務であると言えます。だからといって、家賃の支払いが少しの期間遅れた程度で家主から契約の解除や退室を求められるのは、借主からしても困ります。よって、「借主が家賃を1回でも滞納したならば、家主は何の催促もせずに、賃貸借契約の解除が出来る」というような内容の特約は、無効となることが一般的です。
しかし、家主も生活費や建物の維持費といった上で家賃による収入は必要です。それにも関わらず、家賃の不払いや延滞が続くようであれば、当事者間の信頼関係は壊れ、借主との契約の継続は難しくなります。
よって、借主の家賃不払いや延滞があり、さらに相当な猶予期間を設けた上で催促したにも関わらず、借主の支払いが滞ったままであったときに限り、家主からの契約解除を認めるとしています。
また、「相当な猶予期間」は一般的に1~2週間程度であれば法的にも妥当であると考えられますが、実際の支払期間はとっくに経過しているので、実際は3日程度あれば充分であるとみなされます。そして、催促と解除の通知は同時に行うことも可能です。したがって、その猶予期間内に借主から滞納分の支払いがなければ、自動的に契約が解除されることになります。
さらに、猶予期間内に入金をすればよいと考える人もいるかもしれませんが、銀行振り込みの場合、通常相手に入金されるのは、2~3日後になってしまうので、その期間も踏まえた上で、振込をしなければいけないのです。