注文住宅で手抜き工事を発見した
戸建て注文住宅を建てて1年ほどで壁に亀裂が入って家が傾いてきました。別の建築会社に検分してもらったところ、明らかに工事は手抜きであったことが判明しました。請け負った業者にどのように対応したらよいでしょうか。
建築基準法では、建物の構造設備等に関する最低基準が定められています。手抜き工事であるかどうかも、まず建築基準法に照らして考えなければなりません。完成した建物に瑕疵があれば、請負業者は担保責任を負わなければなりません(民法634条以下)。この場合の瑕疵は「隠れた瑕疵」に限りません。注文者は、請負人に対し相当の期間を定めて瑕疵の修繕、損害賠償の請求ができます。ここで注意すべきことは、建物の場合には、瑕疵があるために建てた意味をなさないときでも、契約の解除はできないということです(民法635条ただし書)。 なお、壁は構造耐力上の主要な部分なので、その瑕疵担保期間は10年間です。ただし買主が瑕疵を知ったときから1年間しか修繕や損害賠償などの瑕疵担保請求を行うことができません。そのため、壁の亀裂が「隠れた瑕疵」ではなく誰でも簡単に見つけられるようになった場合、注文者は請負契約書の担保期間などを確認して早めに行動することが重要です。