現在住んでいるマンションの契約を更新しようとしたところ、不動産屋から「家賃を2割引き上げる」と言われました。

在住んでいるマンションの契約を更新しようとしたところ、不動産屋から「家賃を2割引き上げる」と言われました。今のマンションに引き続き住むには、新しい家賃を払わなければならないのでしょうか。

通常、従来の家賃を引き続き払うことで、家賃の値上げを拒否したまま現在のマンションに住み続けることは可能です。もし不動産屋が家賃を受け取らず、立ち退きを求められた場合、従来の家賃と同額でもいいので妥当と思う家賃を、マンションの住所地を管轄する法務局に供託すればいいのです。家主側が家賃増額の調停や裁判を起こし、その裁判が確定するまでは、借家人は供託により家賃を支払ったものとみなされます。ただし、裁判が確定して新しい家賃が決まると、供託家賃との差額に年1割の利息を付けて家主に払わなければなりません。
家賃は、不動産価格の値上がりや、それに伴う租税公課の増額、近隣の家賃より著しく安い場合など、法律上も値上げが認められています。値上げは仕方ないと考えている場合は、従来の家賃に若干上乗せした金額を供託しておくとよいでしょう。
家主が受け取ってくれないからと言って家賃を供託しない人がいますが、それは避けた方がよいでしょう。家賃滞納を理由に裁判所から明渡しを命ぜられる可能性があります。
従来の家賃の額では家主の受領拒否が明らかで後日立証できる場合は家賃滞納になりませんが、家主が一部であっても受け取ると言っているのに、トラブルがあるという理由で全く支払いをしない場合は家賃滞納になります。

2019-10-24 11:58 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所