移転登記請求の訴訟

売主が所有権移転登記に協力してくれないとき→登記申請は売主と買主が共同でするのが原則。
新しい家を建てるために土地を探していましたが、Yの所有する土地を購入することになりました。契約も成立し契約書にサインもし、売買代金をYの銀行口座に振り込んだ翌日に双方が法務局に出頭して登記申請する約束をしました。しかし、代金を振り込んだ翌日に私が法務局に出頭したにもかかわらず、Yは急用を理由に出頭しませんでした。その後、何度か催促しましたが、まだ登記申請に協力してくれません。早く家を建てたいので、私1人で所有権移転登記手続きをすることはできないものでしょうか。

所有権移転登記については、売主と買主の共同申請が原則となっています。したがって、売主と買主が必要書類を備えて共同で登記申請しなければ、所有権移転登記はできません。ですから、あなたは1人だけでは登記申請ができません。とにかくYに対して登記に協力する義務を果たすように請求してください。
ただYに協力する様子が見られない場合やあなたにもう時間がない場合は、裁判に訴えて判決を勝ち取れば単独で登記申請をすることができます。売主が悪質な場合、あなた以外の第三者に不動産をさらに譲渡したうえで、そちらに登記を先に移してしまえば、あなたは登記を備えた者に対して自分が所有権を取得したことを主張できなくなります。
そこでこういった危険性をなくすために、売買契約書、代金の振込済証、登記済権利証などあなたが所有権を取得したという証拠を用意して、裁判所にかりとうきの仮処分命令を求めるべきです。そのうえで、Yに対して移転登記請求の訴訟を提起します。あなたが勝訴したら、判決書を添えて単独で法務局に登記申請することができます。

2017-12-14 10:55 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所