買主が共有に変更した場合の重要事項説明
買主が共有に変更……重説は。
媒介した中古マンションの契約において、売買契約時において買主は1人でしたが、決済直前になり、奥様も買主にして夫婦の共有名義にしたいとの申し出がありました。契約前の重要事項説明の時には奥様は立ち会っていません。この場合、奥様に改めて重要事項説明が必要でしょうか。また売買契約書の変更は必要でしょうか。
決済前に、登記は共有名義にしたいとの申し出を受けることは、実務において珍しいことではありません。契約書の変更(書き換え)は必要なのか、書類はどのようにしておけばいいのかについては、税金や登記手続と関係してきますので、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に確認します。
重要事項説明書は改めて奥様にもする必要があるでしょうか。
宅建業法は「契約の成立するまでの間」に重要事項説明書を交付して説明することを義務付けています。本件においても契約を締結する前までに重要事項説明を行っていますので、宅建業法上の義務は果たしています。このような買主の共有名義への変更について、すべての場合に改めて追加された買主への重要事項説明が必要ないとはいえませんが、ご夫婦の共有名義への変更の場合に、改めて奥様に重要事項説明しなければならない必然性はなく、説明義務はないと考えられます。もちろん、説明を求められた時には説明を行います。