転職しても会社の借り上げ社宅に住み続けられるか

転職しても会社の借り上げ社宅に住み続けられるか

社宅とは、本来会社が所有している建物を社員に対して、無償あるいは割安の賃料で貸し出すものです。このような形態で貸し出している場合、社員は会社を辞めるのであれば、その社宅から出なければならないのが通常です。
しかし、借り上げ社宅の場合は、建物の所有者は会社ではなく、別の第3者になります。なので、借り上げ社宅では、会社もしくは社員自身のどちらかが所有者から借りている形になります。このとき、会社が借りているのであれば、社員に無償あるいは割安の賃料で転貸し、社員が借りているのであれば、会社から賃料の全額あるいは一部を住宅手当などとして、社員に支給されます。
そこで、借り上げ社宅に転職しても住み続けられるかですが、まずは、賃貸借契約書の賃借人が誰であるかを調べます。(もしも、契約書が手元にないときは、会社の総務課で調べることが出来ます。)
そして、賃借人の欄が会社になっている場合は、社員が会社から転貸していることになるので、会社所有の社宅と同様の扱いになり、社員は会社を辞める際に部屋をでる必要があります。
これに対し、賃借人の欄が社員自身であれば、自身が家主から直接借りているということなので、会社を辞めたからといって、出て行く必要はないのです。
ただし、会社を辞めても住み続ける場合、会社とは無関係になるので、住宅手当はもらえなくなります。
また、賃借人が会社であっても、転職する理由が円満であれば、場合によっては、会社が契約を引き継いでもらえることもあり、その場合は、住み続けることは可能になります。
ですが、住み続けるためにも所有者(貸主)の同意は必要になります。

2019-10-24 14:06 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所