隣にマンションが建ち風呂が丸見えになる。
隣にマンションが建ち風呂が丸見えになる。
法律上、建物を建てる際、立ち並んだ建物同士の境界の距離が1メートル未満の位置で、さらにそこから他人の宅地が見渡せるのであれば、建築主 は窓や縁側に目隠しをつけなければならないのです(民法235条1項)。 この条件に該当するのであれば、大家さんを通してマンションの建築主に目隠しをつけるよう請求してもらう必要があります。特に、今回のケースのお風呂場であれば、なおさらで、かなり厳重なものを要求してもよいと思います。 しかし、境界線からの距離が1メートル以上であるならば、前に述べた規定は当てはまらず、適用することが出来ないのです。 だからといって、見えたままにするわけにはいかないので、「これと異なる慣習がある場合にはそれに従う(民法236条)」の規定を適用させます。 これは、地方によって目隠しをつけるにはどのくらいの距離が必要なのかを調べ、1メートル以上でもつけるのが通常となっていたならば、前述同様に請求することが出来ます。 ただし、必ずしも大家さんがこの請求をしてくれるとは限らず、その場合、法律上は単なる居住者である借主に権利はありません。 この問題は法律上だけの問題ではなく、常識にも関わってくるものなので、直接申し入れをし、断られた場合は、調停を起こすくらいのことはしてもよいと思います。 調停とは民事調停のことをいいます。 民事調停とは、民事問題に対して、調停委員会が当事者間に入り、実情に即した問題解決を図ることを目的とし、話し合いによって合意を目指す手続のことをいいます。 通常、調停委員会は裁判官から1名・民間人から2名(弁護士や大学教授、不動産鑑定士など)によって組織され、調停の申込みを簡易裁判所へすると、第1回目の期日が1~2か月後に入ることになります。 裁判所の期日は、差出人と受取人の間に調停委員が入り話を進めていくことになります。 また、話し合いは当事者の合意が得られるか、または、話し合いが成立しないことが明らかになるかまで期日を指定しながら続けられます。 そして、話し合いがまとまると、確定判決と同等の効力を持つとされる調停調書が作成されることになります。 調停は、かなり長い期間を要して話し合いが続けられることが考えられるため、賃料の滞納問題ではあまり利用することはないですが、差出人が受取人との関係上、訴訟を避けたい場合や、複雑な要素が他にある場合などのときに、利用されることもあります。 ですが、あくまで、民事調停は、当事者間による合意が前提となっているため、受取人が調停に出席する意思がないときや、最終的に合意する気がないときは、ズルズル話し合いを進めても結局は成立しないので、そのような場合は調停をする意味はないといえます。