隣の家の落ち葉で窓も開けられない
隣の家の落ち葉で窓も開けられない
問題となっている隣の木の枝がどのような状態になっているかが、問題の論点となります。 もし、木の枝が境界線から越境している場合です。この場合、他人が所有している敷地内に侵入していることになるので、大家さんは越境している部分の枝を伐採するように、隣の住人に対して、請求をすることが出来ます(民法233条) また、地下から生えてくるものについては、大家さん自身が切り取って、収穫することが許されています。 なので、境界線から越境している場合は、大家さんに説明し、隣の人に伝えてもらうべきです。 これに対して、枝が境界線を越境していないが、風などで落ち葉が流されてきた場合は、こちら側の敷地に侵入していない以上、大家さんであっても伐採を請求することは出来ません。 ですが、こちら側が迷惑を被っていることには違いないので、一応自身で伐採をしてもらえるように交渉してみることもよいと思われます。 それでも隣の人に応じてもらえないのであれば、大家さんに雨樋の開口部にネットをはってもらうなどの対応をしてもらい、被害を最小限におさえることができます。 もしくは、自身でネットを張る工事を行い、その費用を必要費として、大家さんに請求することも出来ます。このとき、大家さんが支払いを拒否したとしても賃料と相殺することが出来るので、1番手っ取り早い方法です。 ただし、その場合は、前もって大家さんに事前連絡をする必要があります。 他にも「調停」という手段をとることも可能です。ここでいう調停は、民事調停のことをいいます。民事調停は、民事問題に対して、調停委員会が当事者間に入り、実情に即した問題解決を図ることを目的とし、話し合いによって合意を目指す手続のことをいいます。 通常、調停委員会は裁判官から1名・民間人から2名(弁護士や大学教授、不動産鑑定士など)によって組織され、調停の申込みを簡易裁判所へすると、第1回目の期日が1~2か月後に入ることになります。 裁判所の期日は、賃貸人と賃借人の間に調停委員が入り話を進めていくことになります。 枝が境界線から越境しているにも関わらず、大家さんに対応してもらえない場合、また、大家さんが言っても隣の人が従わない、さらに、大家さんがネットを張るなど必要な工事を行わないなどのときにとられる手段の1つが調停です。調停を行う際は、最寄りの易裁判所で手続きをします。その後、話し合いがまとまると、確定判決と同等の効力を持つとされる調停調書が作成されることになります。 調停は、かなり長い期間を要することになりますが、話し合いは当事者の合意が得られるか、または、話し合いが成立しないことが明らかになるかまで期日を指定しながら続けられるので、トラブルが大きくなることもなく、解決に導かれます。 また、賃貸人が賃借人との関係上、訴訟を避けたい場合や、複雑な要素が他にある場合などのときにも利用されることがあります。 あくまで、民事調停は、当事者間による合意が前提となっているため、賃借人が調停に出席する意思がないときや、最終的に合意する気がないときは、ズルズル話し合いを進めても結局は成立しないので、調停をする意味がないです。