高層マンションの建築で別荘の眺望が悪くなる
眺望がよいことが気に入り別荘を購入しました。分譲した不動産会社も、将来にわたって眺望を害する建物は建たないことを保証してくれていたのですが、突然、隣地に高層マンションが建つことになりました。これが建つと、眺望は全く台無しになってしまいます。眺望権を主張して、マンション建設差止請求はできないでしょうか。
眺望の阻害とは、他人の土地の上部空間を通じて周囲の自然景観を眺望する環境の阻害をいいます。裁判所は、一定の要件がそろえば、眺望の阻害が被害者の受忍限度を超えるものとして、眺望の利益を保護し、差止請求を認める場合があります。 眺望利益が保護される一定の要件とは、観光地や別荘地のように①眺望保護に値する地域であること、眺望のよい旅館として営業している場合など②眺望被害の程度が大きいこと、分譲業者が眺望を害する建物を隣地に建てないことを約束して販売していた場合や、設計変更が容易であったといった③加害者の眺望を阻害するやり方に非難すべき点があること、といったことが挙げられます。 都市部や市街地では、マンションの建設に際し、住民説明会が義務付けられている場合があります。景観など生活環境が侵害される恐れがあるときは、業者に対し設計変更などを申し入れるといいでしょう。