50年以上、借地に家を建てて暮らしてきました。
50年以上、借地に家を建てて暮らしてきました。借地期間満了の3カ月前に文書で借地契約の更新を請求したところ、地主から、「結婚する子どもの家を建てるので、期間満了後は家を取り壊して明け渡してくれ。」と言われました。応じなければなりませんか。
法律では、借地上の建物が存在している限り、借地期間の満了に伴い借地人が契約の更新を請求した場合には、前契約と同一の条件で更新され、地主に「正当の事由」がある場合に限って更新を拒むことはできるとしています。 ここで言う「正当の事由」とは、地主が自分で土地を使う必要があるなどの場合をいい、今回のように子どもの家を建てるという理由は、自己使用の必要がある場合と言うことができるでしょう。しかし正当の事由の判断は、地主側の主張だけでなく、借り手側の土地を必要とする理由との比較考量によって結論を出さなければなりません。よって、地主の「子どもの家を建てる」という理由だけでは、地主側に正当の事由があるとはいえないでしょう。住居として家を持ち、その家が普通に存在している限り、借地契約が地主の都合によって終了することはないでしょう。