入居後の補修

入居後、地盤の緩さが顕在化した場合の対応→事前の地質調査と基礎工事が肝要だが、補修は請求できる。
長年必死で働いてきた甲斐があって、それなりの頭金がたまったので、夢のマイホームを買うことなりました。ただ家のほうにできるだけお金をかけたいので、多少都心から離れていても安い土地を探すことになりました。Y不動産販売が「農村部であったほうがよい新興住宅地になっています。」というので、そこの敷地を購入し、家の建築もY不動産販売に請け負わせました。
ところが完成後、入居してしばらくしてから1階部分のコンクリートにひび割れが生じてきました。また玄関の立て付けもおかしくなりました。そこで敷地についてよく調査してみると、以前、そこは沼地だったようです。もう後の祭りなのでしょうか。

このケースのように、もともとが沼地であったり、田や池であったりしたところを埋め立てて宅地にするケースはよくありますが、地盤の基礎工事がしっかりと行われていないと、このようなことが生じます。土地、特に新興住宅地を購入する場合には、そこが以前にどのような土地であったのかを必ず調査しておくべきです。調査の結果、もともと緩い地盤であることが判明したら、基礎工事がどの程度施されているかについて、業者にきちんと問いただしておきましょう。生涯でもっとも高価な買い物をするのですから、事前に納得のいくまで物件を調べておくべきです。
さて、このケースのように、家が完成し、入居してから地盤の緩さが顕在化した場合には、それなりの基礎工事をしていくことになります。具体的には、補強工事と損壊箇所の修復です。写真撮影をしたり、専門家に依頼し、鑑定書を作成してもらうなどして証拠をそろえてから請求し、応じないようなら訴訟を提起します。

2017-12-13 16:40 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所