土地の所有者等の意義

土地の所有者等とは誰ですか。

土地の所有者等という概念は、この法律で極めて重要な言葉ですが、法律上は、土地の所有者、管理者又は占有者とだけ定義されており、それ以上詳しいことはわかりません。施行令や施工規則でもこの点は明らかになっていません。したがって何が合理的な解釈であるかを検討するしかありません。ただ平成22年施行通知では、「『土地の所有者等』とは、土地の所有者、管理者及び占有者のうち、土地の掘削等を行うために必要な権原を有し調査の実施主体として最も適切な一者に特定されるものであり、通常は土地の所有者が該当する。『所有者等』に所有者以外の管理者又は占有者が該当するのは、土地の管理及び使用収益に関する契約関係、管理の実態等からみて、土地の掘削を行うために必要な権原を有する者が、所有者ではなく管理者又は占有者である場合である。その例としては、所有者が破産している場合の破産管財人、土地の所有者を譲渡担保により債権者に形式上譲渡した債務者、工場の敷地の所有者を既に譲渡したが、まだその引渡しをしておらず操業を続けている工場の設置者等が考えられる。」との解釈が示されています(平成22年施行通知第3の1(2)①参照)。つまり、土地の掘削等を行うために必要な権原を有する者という解釈です。ただ施行通知は実務上尊重されると考えるべきものですから、かかる解釈に従ってこの法律の運用が行われると思います。
ただし、借地人が工場を操業しており、その操業にともなって土壌汚染の可能性があるような場合の調査命令等の相手方が土地所有者というのはいかにも不合理なので、土地の財産的価値に損傷を与えない調査や汚染の除去等の措置であれば、土地所有者に限らず適宜その他の土地の「管理者又は占有者」が土地の所有者等に該当すると判断される場合はありうると考えておくべきように思われます。

2017-12-13 14:30 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所