宅地建物取引業者の責任

土壌汚染された土地を媒介した宅地建物取引業者は、汚染の事実を知らずに買った買主から損害賠償責任を追及されることはありますか。

土壌汚染対策法の制定及び平成21年改正に伴い、宅地建物取引業法施行令第3条第1項に「三十二 土壌汚染対策法第九条並びに第十二条第一項及び第三項」を加える改正がなされました。この結果、宅地建物取引業法の重要事項説明書において要措置区域等(すなわち要措置区域又は形質変更時要届出区域)内の土地の形質に関する規制は記載が必要となりました。しかし宅地建物取引業者はこの点だけを注意していれば足りるわけではありません。なぜならば宅地建物取引業法第34条の2第2項で「宅地建物取引業者は、前項第2号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」とあり、また同法47条第1号では、宅地の形質に関する事項であって、「宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」につき、「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」が禁じられています。したがって、過去に工場の敷地であったことなど、通常の人が聞いたとすれば土壌汚染を疑う可能性のある情報を有しておきながら、これを買主に知らせない行為などは、同法47条第1号違反であると解されますし、また過去に工場跡地であるという情報がありながら土地の評価にあたって土壌汚染のリスクを全く考慮しないで評価額をそのまま買主に伝える場合は、土壌汚染のリスクを度外視していることを告げない限り、同法34条2項違反として債務不履行責任を依頼者に負う可能性があります。

2017-12-13 15:38 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所