汚染除去を行う者への支援措置

汚染の除去等の措置を講ずべきことを指示されても、その指示に従って措置を講じるだけの資力がない者に対して支援措置はないのですか。

土壌汚染対策法では、このような者を支援する制度を確立するために、支援業務を行う指定支援法人という法人を全国で1つだけ指定し(財団法人日本環境協会が指定されています)、その法人に支援に関する基金を設けさせることにしており、その基金を用いて地方公共団体を通じてこのような者が行う汚染の除去等の措置に助成を行うことを定めています(法44条、45条1号、46条)。なお施行令第6条1項では、基金による「助成金の交付は、法七条第一項の規定により汚染の除去等の措置を講ずべきことを指示された者(当該土壌汚染を生じさせる行為をした者を除く。)であって、環境大臣が定める負担能力に関する基準に適合するものに対して…(中略)…助成を行う地方公共団体」に対し行うものとするとされています。つまり、指定支援法人からの助成は、原因者を対象としていません。もっとも、法58条第1項に基づき、指定支援法人を利用しない形であれば、下人者への支援もありうると思われますが、具体的な制度化はされていません。関東経済産業局の平成21年度の調査報告書によりますと、指定支援法人による助成金交付の制度は、汚染原因者が不明・不在である等、交付条件が厳しいために利用実績が必ずしも多く得られていないことが課題になっている点が指摘されています(平成21年度中小企業等産業公害防止対策調査「関東経済産業局管内における土壌汚染対策に関する調査」第4章)。実際に(財)日本環境協会HPをみますと、交付実績はわずかに2件です。
また関東経済産業局の調査報告書では、中小規模の企業・事業者において、こうした助成金の制度を利用した土壌汚染対策を推進していくためには、要件の緩和なども検討していく必要があるものと考えられるとの指摘もなされています。

2017-12-13 15:56 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 東京永田町法律事務所