ISO14015とは

ISO14015とは何ですか。

ISO14000シリーズとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)により、環境マネジメントに関連する国際規格として定められている一連の国際規格です。このうち環境マネジメント・システムの構築に関する要求事項について定めているISO14001の要求事項に適合すると、審査登録機関によって認証が与えられます。企業はこの認証が得られれば環境管理のレベルが一定程度に達しているとして、環境保全に対する取り組みを外部に示すことができます。したがって、1996年の発効以来、日本でも相当数の企業が認証を獲得してきました。
ところでISO14015とは、このISO14000シリーズの1つですが、2001年に発行しました。これは敷地及び組織の環境アセスメント(Environmental Assessment of Sites and Organizations、略称EASO)と呼ばれるものです。企業など各種組織は、その敷地やその活動に関連する環境問題を適切に評価することがその操業中、その取得時又はその分割時に、しばしば必要となります。したがって、その評価を実施するための指針を国際規格として提供しようとするものです。この規格は、その評価に関係する当事者(依頼者、評価者及び被評価者)の役割と責任や、評価プロセスの諸段階(計画作成、情報収集、妥当性確認、評価及び報告書作成)のあるべき内容を規定しています。しかしこれは、具体的な調査方法や敷地の汚染の浄化対策などを定めたものではなく、評価を実施するにあたっての指針にすぎません。またISO14001のように、第三者からの認証取得を対象にした企画でもありません。しかしこの規格に則って、企業の敷地や活動に関する環境問題を評価するとなると、評価の基準、考慮の対象となる情報や文書、調査にあたってインタビューの対象となる者などがこの規格に例示されていますので、これらを無視することはできず、評価の基準も評価の資料もきめ細やかなものとならざるを得なくなり、相当きめの細かな評価が可能になります。したがって例えばこのISO14015に準拠した評価を企業が行っているか否かを金融機関が融資審査の要件とするとなると、各企業がこの規格を順守するようになり、少なからぬ影響を持ってくることが考えられます。
土壌汚染対策法とISO14015は、2001年に発行されて以来、今まで変更はなく、日本での利用は進んでいないように見受けられます。ただこのISO14015 に則り、敷地について土壌汚染、地下水汚染に関するアセスメントなどを行う資格登録制度(環境サイトアセッサー)が2004年4月に社団法人産業環境管理協会により開設されました。この資格登録認定者は2010年8月現在で計289名とのことです。

2017-12-13 15:54 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所