土壌汚染対策法の規制数値と関連法規の規制数値との関係

土壌汚染対策法のいわゆる濃度基準と環境基本法に基づいて定められている土壌汚染の環境基準とはどのような関係にありますか。また、土壌汚染対策法上の濃度基準と水質汚濁防止法上の各種基準とはどのような関係にありますか。さらにこれらと最終処分場で環境確保のために施設に要求される各種技術基準とは関係がありますか。

土壌汚染対策法の要措置区域等に関する土壌溶出量規準は、環境基本法に基づいて定められている土壌の汚染に係るものと同じ数値になっています。また、土壌汚染対策法の地下水基準についても、同様の基準が用いられています。なお、土壌汚染対策法の地下水基準と地下水の水質汚濁に係る環境基準もほぼ同様の基準ですが、後者がやや広いものとなっています。
水質汚濁防止法の水質基準には、地下水の水質の浄化に係る措置命令に関する基準と汚染物質を公共用水域に排出する「特定施設」を設置する工場・事業場の排水基準があり、この排水基準には、有害物質による排出水の汚染状態に関するもの(健康項目に係る排出基準)とその他の排出水の汚染状態に関するもの(生活環境項目に係る排出基準)があります。水質汚濁防止法の地下水の水質の浄化に係る措置命令に関する基準は、土壌汚染対策法の地下水基準や土壌溶出量基準とほぼ同じ基準になっていますが、水質汚濁防止法の健康項目に係る排水基準は、土壌汚染対策法の地下水基準や土壌溶出量規準よりも概ね10倍緩い基準になっています。
廃棄物処理法の最終処分場に関する基準は、放流水に関する基準と周縁地下水に関する基準があります。最終処分場の周縁地下水に関する基準は、土壌汚染対策法の地下水基準や土壌溶出量規準と対象物質が少し異なるものの、ほぼ同じ基準になっていますが、最終処分場の放流水に関する基準は、土壌汚染対策法の地下水基準や土壌溶出量規準よりも基準の対象物質が多く、また水質汚濁防止法の健康項目に係る排水基準と同様に、数値が概ね10倍緩くなっています。
土壌汚染対策法の指示措置の内容を定める際の基準となっている第二溶出量規準は、土壌溶出基準の3倍から30倍までの溶出量をもって定められていますが、この第二溶出基準は、廃棄物処理法の遮断型最終処分場で処理しなければならない産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物に関する判定基準とほぼ同じ基準になっています。

2017-12-13 15:13 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所