汚染発覚と汚染の除去等の措置の指示・命令

汚染が見つかっても必ずしも汚染の除去などの措置を指示されたり命じられることはないのですか。

この法律では、汚染があるとして要措置区域等(すなわち要措置区域又は形質変更時届出区域)に指定する場合の土壌汚染の濃度基準を超える汚染があっても、直ちに汚染の除去等の措置を指示したり命じたりすることにはなっていません。地下水汚染リスクの観点からすれば、周辺の地下水の利用状況等からみて、地下水汚染が生じたとすれば飲用等を通じて健康被害の恐れがあると認めれられることという要件があってはじめて(ただし公共用水域の水質汚濁を招くほどの場合は地下水の飲用という要件は不要)、措置の指示や命令が出せるとしていますし、土壌の直接摂取のリスクの観点からすれば、当該土地が立ち入ることができる区域であることという要件があってはじめて、措置の指示や命令が出せるとしています。
なお注意しなければならないのは、汚染の除去などの措置の指示や命令は、任意の土壌汚染調査による汚水が発覚した場合には出されないことになっている点です。もっとも任意の調査で汚染が発覚した場合も土地の所有者等が要措置区域等(すなわち要措置区域又は形質変更時届出区域)への指定を申請して認められた場合(法14条3項)は、指示や命令が出ることがあります。しかし、基本的に、任意の土壌汚染調査の場合は、対策を指示されたり命じられることがないという点がこの法律の特徴です。

2017-12-13 14:57 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所