農地法

農地の取引は「農地法」の規制対象です。同法は耕作者が自ら農地を所有することが社会的に最も適切という理念に即し、耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を目的としており、農地に加えて採草放牧地の取引も規制しています。農地とは耕作の目的に供される土地をいい、採草放牧地とは農地以外の土地で主に耕作や養畜のための採草や家畜放牧の目的に供される土地と定義されています。

農地や採草放牧地を取引する時、取引後もそのまま使用する場合(=現況取引)は農業委員会か都道府県知事の許可が必要です。また、転用を伴う場合(=転用取引)は都道府県知事か農林水産大臣の許可(市街化区域内にある農地は農業委員会への届出)を受ける必要があります。

農業委員会は農業委員会法に基づく行政委員会で、農民の代表機関として市町村から独立して農地法に基づく許可などの行政事務を担います。委員会の事務局は通常、市役所や町村役場、区役所内に置かれています。

農地法上の許可などを受けずに売買契約を締結し、代金を支払い、農地の引き渡しを受けても所有権の移転は無効です。また、同法上の許可などを受けずに農地の取引をした場合、刑事罰として3年以下の懲役か300万円以下の罰金を科されることがあります。

2020-03-19 10:46 [Posted by]:不動産の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所