虚偽表示
購入した住宅の駅からの所要時間が広告では「徒歩10分」となっていたのに、実際は徒歩20分だった場合、この段階で既に支払っていた手付金は返還してもらえるのでしょうか。
売買契約の締結前に住宅を検分した際は業者の車で移動したため、駅からの徒歩での所要時間を知らないまま、購入予約をしたところ、実際は倍以上の時間がかかることが分かったとします。そうした場合は、民法上の「錯誤」を理由に契約解除を求め、業者に手付金の返還を求めることができます。仮に業者が返金に応じなかった場合は、地域の不動産公正取引協議会に通告し、返還警告を発するよう求めましょう。
公益社団法人である同協議会は、不動産広告の適正化を通して不動産業界の社会的信頼の向上を図る目的で設置され、「不動産の表示に関する公正競争規約」というルールを定めています。この規約の施行規則は「徒歩○分」と表示する場合は、80メートルの距離につき、所要時間1分とする算出基準を設けています。
この規約に違反した業者は、同協議会から違約金を課徴されるケースもあるため、取引当事者による通告は実効性があるのです。